シャドーバンキング 2014 1 5
書名 日本は史上最長の景気拡大に突入する
著者 長谷川 慶太郎 PHP
この本で気になることは、
いわゆる「アベノミクス」のことではなく、
第五章の中国のシャドーバンキングのことです。
この章で、著者は、
習近平政権と人民解放軍の対立について書いています。
シャドーバンキングとは、「影の銀行」のことで、
銀行でない金融機関のことです。
日本では、ノンバンクという金融機関でしょうか。
昨年、中国では、あるいは世界的にも、
シャドーバンキングが大きな問題となりました。
問題は、中国では、シャドーバンキングが、
純粋な金融問題として扱えないことにあると著者は指摘します。
著者は、シャドーバンキングの実質的な経営者は、
人民解放軍の幹部であると指摘すると同時に、
習近平政権が率いる北京政府と人民解放軍の
激しい路線対立があると書いてあります。
人民解放軍を締め付けるために、
シャドーバンキングをつぶそうとすれば、
それを最後の頼みの綱としている中小企業は、倒産します。
そうなれば、膨大な失業者が出て、中国は大混乱になります。
しかし、シャドーバンキングを救ってしまうと、
人民解放軍の資金源を断つことができなくなります。
要するに、シャドーバンキングは、金融問題ではなく、
軍事問題、あるいは文民統制の問題であると著者は言いたいのでしょう。
私は、2009年7月24日から、
中国における文民統制について懸念を表明してきました。
もう手遅れかもしれません。
瀋陽帝国 2012 9 16
書名 中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動
著者 長谷川 慶太郎 実業之日本社
瀋陽軍区の精鋭部隊が、平壌を制圧するのも、
北京を制圧するのも、作戦としては、
8時間以内に完了するでしょう。
私は、以前、北朝鮮の軍は、
長く続くエネルギー不足によって、
自然消滅したようなものだと書きましたが、
楽観はできないのです。
瀋陽軍区が、必要に応じて、
北朝鮮に兵器を貸し出すからです。
たとえば、北朝鮮の軍事パレードの時に、
強力な兵器を北朝鮮に貸し出して体裁を整えることが可能です。
北朝鮮は、瀋陽軍区の傀儡国家に近いと思います。
その北朝鮮の弾道ミサイルは、北京に照準を合わせているかもしれません。
そういうわけで、北朝鮮は、現在、経済制裁下にありますが、
このような経済制裁は、あまり意味がないかもしれません。
このような現状に、北京政府は何も言えません。
中国には、7つの軍区がありますが、
瀋陽軍区が最強です。
というよりも、1強6弱の状態と言った方が正確です。